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クリスチャントゥデイ問題

統一教会系の異端カルトとして疑惑が持たれている「クリスチャントゥデイ」についての、当ブログの追及記事です。


2007年9月20日

再掲:キングダム・ロスト



昨年9月にk氏のご両親からカルト相談を受け、提供された情報をもとにエントリーしたのが、「キングダム・ロスト」という一文である。掲載間もなくして、クリスチャントゥデイの矢田喬大記者から、告訴の威嚇をもってブログ記事削除の要求が行われたのであった。その経緯と、「キングダム・ロスト」の全文を再掲して、「CT問題一周年記念」としたい。




<以下再掲>

「クリスチャントゥデイ問題資料」pp.5-6.

ACMのこともクリスチャントゥデイのことも、忘れかけていた昨年の9月頃のこと、ある女性からACMに関する相談の電話を受けた。ここから、事態は大きく転回して行くことになるのである。その女性の息子さんは、大学在学中にACMの勧誘を受けて入信し、それ以降、家族に対して頻繁に嘘をつくようになったという。大学卒業後、ベレコムというIT会社に就職すると告げたのだが、自分の住所を教えようとしない。不審に思った両親が、松濤ビルに住所があるベレコムの事務所を訪ねてみると、「クリスチャントゥデイ」の看板が出ていたという。息子さんとの連絡は途絶えがちになり、心配していると、ある日、消費者金融五社から借金返済の督促状が実家に届いた。驚愕して息子さんに問いただすと、最初は「ACMの上部団体に上納した」と説明していたが、後に「困っている女性に用立てた」などと、次々に言葉を変えた。御両親は「社会人なのだから、まず働いて借金を返しなさい」と強く意見し、勧めに従った息子さんは、御両親が三ヶ月分だけ家賃を用立てたアパートに住みながら、人材派遣会社で働き、借金返済を始めた。ところが一年後、不動産会社から家賃支払いの督促状が実家に届いた。急いでアパートを訪ねてみると、家財道具を一切合切残したまま、息子さんの姿は消えていた。大家が荷物を全部引き取って退去するよう要求するので、御両親はそれに応じて部屋を開け、未納家賃の一部を立て替え、滞納された光熱水費や電話代も支払った。そうして、クリスチャントゥデイを訪ね、息子がどこにいるか知らないかと聞くと、「知らない、わからない」という。その足で、ベレコムを訪ねると、やはり、「知らない、わからない」という。アパートから引き取った荷物の中からは、大量の聖書講義ノートと、オリヴェット大学の入学通知書があり、ノートには 「聖ダビデ牧師様」という言葉が出て来るという。この相談を受けて、小生は「これはおそらくカルト団体である可能性が高い」と判断せざるを得なかった。そこで、お母様から聞いた、小生にとっての新たな注目キーワードである「ベレコム」と「オリヴェット大学」を手がかりに、ネット検索による調査を開始すると、あるひとつの像がそこに開けて来たのである。

オリヴェット大学を核とする世界大のインターン制度

オリヴェット大学というのは、張在亨氏が設立し、初代学長を務め、現在は総長に就任している、サンフランシスコの神学系大学である。ここへは、ACMがキャンパス伝道で勧誘した学生たちが、「修士号」を取得する目的で、世界各地から入学して来る。神学部、音楽部、新聞学部、芸術学部、情報工学部で学ぶ学生たちは、修士課程の一貫として、「インターン・プログラム」に参加することになっている。インターン派遣先の団体や企業というのは、すべて、ACM関連のものばかりであって、それは以下の通りだ。

オリヴェット神学校を出ると、「世界福音長老教会総会」「アポストロス・キャンパス・ミニストリー」「イエス青年会」でインターンになれる。

ジュビリー音楽学校を出ると、「ジュビリーミッション」「ブレスキャスト」でインターンになれる。

オリヴェット新聞学校を出ると、「クリスチャン・ポスト」「ゴスペルヘラルド」「クリスチャントゥデイ」でインターンになれる。

オリヴェット美術デザイン学校を出ると、「デオグラフィックス」でインターンになれる。

オリヴェット情報技術学校を出ると、「クロスマップ」「ベレコム」でインターンになれる。

以上のようなインターン制度についての調査結果が一方にある。その一方で、相談して来られたお母様は、「どうも息子の言葉のはしばしから、無賃金もしくは低賃金で、長時間労働をさせられているような感じがする」という言葉があった。この二つを結びつければ、こういうことになる。全世界の大学でキャンパス伝道を繰り広げているACMは、若く優秀な大学生を勧誘し、聖書講義を通じてある種のマインドコントロールを施して、オリヴェット大学修士課程に送り込み、学生たちはそこから「インターン」となって、世界各地のACMの系列企業に派遣され、無賃金あるいは低賃金に近いかたちで労働をさせられる、という構図である。もっとも、この構図については、想像が大部分を占めていて、証拠付ける資料は、その時点では、まだ存在しなかったのだ。

告訴をちらつかせたブログ記事削除要求

上記の「インターン制度」にまつわる疑問をブログで提示したところ、早速、クリスチャントゥデイの矢田喬大記者から電話がかかってきた。「このまま放置すると大問題になる。削除していただきたい。削除しない場合には、法的手段に訴えることになる」とのことであった。疑惑を確証する証拠に不足していた小生は、法廷闘争になった場合に勝ち抜ける自信がなかったので、ブログ記事の一部を伏字にすることで、矢田記者の要求に対応することとした。ところが、「伏字処置では不十分である。記事を完全に削除せよ」と、再度の要求が矢田記者から行われた。これには小生は納得できず、抵抗した。すると、矢田記者から「直接お会いしてお話したい」との要望が出された。話し合うことにやぶさかではない小生は、早速日時と場所の設定をした。2006年10月12日(木)午後7時、新宿駅西口地下広場交番前で矢田記者と井出記者と落ち会い、交番裏の喫茶店で面談する、という約束である。ところが、その日が近づくまでに、思いがけないことが起きたのだ...。(全文はこちら)

<以上再掲>




<以下再掲>

「キングダム・ロスト」2006年9月13日

以前にもログしたことがある、アポストロス・キャンパス・ミニストリーという「謎多き団体」だが、今日、問い合わせの電話を受けた。

小生の中では、ほとんど忘れかけていた団体だったのだが、ここに来てまた、心の中に好奇心が、むらむらと沸き起こり始めている。

在米韓国系学生伝道団体アポストロス・キャンパス・ミニストリー(ACM)と在米中国系学生伝道団体イエス青年会(YD)が、サンフランシスコを拠点に学生伝道を繰り広げ、その結果、急速な教会成長を成し遂げて「アンテオケ教会」を設立し、そのアンテオケ教会が、なんと「世界福音長老教会総会」(WEAPC)さらには「世界長老教会総会」(WAPC)なる仰々しい看板を立ち上げ(いったい、世界中の長老教会は、そんなものが地球上に存在していることを、少しでも知っているのだろうか?)さらには、オンライン新聞「クリスチャン・トゥデイ」、オンライン放送局「ブレスキャスト」、ポータルサイト「クロスマップ」、メディア企業「クリスチャン・ポスト」「ゴスペルヘラルド」、教育機関「オリヴェット大学」、音楽宣教団体「ジュビリー・ミッション」、IT企業「ベレコム」、デザイン会社「デオグラフィックス」を、次々と立ち上げている。しかも、それらがみな2001年から2006年という、ここわづか五年間に、世界各地で設立されているのだから、驚きである。

いや、もちろん、「今度インドに開設しました!」と、いくら宣伝したって、それは、ただローカルドメインを取得して、同一デザインのサイトのテンプレートを現地語に翻訳して、だーっとアップロードしてしまえば、さも「現地法人」が出来たかのように見せかけられなくもない。

しかし、どうもそんな、簡単な話ではないようである。

たとえば、IT企業「ベレコム」の日本法人を挙げれば、資本金1000万円、社員32名を抱えて、東京と大阪にオフィスを構え、ホームページのデザインとサーバー管理を中心に「営業」しているのである。

「ベレコム日本法人サイト」

してみると、アポストロス・キャンパス・ミニストリー、イエス青年会、ジュビリー・ミッション、クロスマップ、クリスチャン・トゥデイの妙にあかぬけしたデザインは、なるほど、この「ベレコム」なるサイト製作会社が一手に引き受けていた、ということになるのであろう。

北米のオリヴェット大学のサイトを見ると、これら、「アンテオケ教会傘下の企業」と同大学との提携関係が、非常にわかりやすく図示されている。

「オリヴェット大学修士課程履修生インターン先一覧」

オリヴェット大学には、下記の五つのカレッジがあって、そこで「修士号」を取得することが出来る。カレッジで学ぶと、提携先の企業で「インターン」として研修することが出来る。すなわち

オリヴェット神学校を出ると、「世界福音長老教会総会」「アポストロス・キャンパス・ミニストリー」「イエス青年会」でインターンになれる。

ジュビリー音楽学校を出ると、「ジュビリー・ミッション」「ブレスキャスト」でインターンになれる。

オリヴェット新聞学校を出ると、「クリスチャン・ポスト」「ゴスペルヘラルド」「クリスチャン・トゥデイ」でインターンになれる。

オリヴェット美術デザイン学校を出ると、「デオグラフィックス」でインターンになれる。

オリヴェット情報技術学校を出ると、「クロスマップ」「ベレコム」でインターンになれる。

うーむ。これほど傘下企業が揃っていれば、高い月謝を払って修士号を取得しても、就職先には、ちっとも困らないであろう。

いや、就職ではない。「インターン」なのだ。

インターンといえば、この高度福祉国家日本においてさえ、つい近頃までインターン研修医は、「ただ働き」に近い条件で、労働しなければならなかったのである。

それはそもそも、労働と考えるから、おかしな話になるのだ。労働を商品として経営者に売却する、というのが労働の概念であるとすれば、インターンというのは、現場で働かせて頂いて、実地に学ばさせていただいて、教室では得難い貴重でありがたい経験なりスキルなり見識なりを、得させていただくのである。それには、それ相応の代価が要求されて、当然である。

では、学生すなわちインターン生は、代価を、どうやって支払うのか。それはもちろん、労働を商品として経営者に売却することによって、である。かくして、代価は対価で相殺されて、賃金は「ゼロ」に限りなく近くなる、というのは、当然の帰結である。

かくのごときインターン制度について、わが国では、つい先頃まで、何も問題ない、とされていたのであった。おそらく、「理論上」は、今なお、問題なし、とされているのではあるまいか。

そこで小生が勘ぐるのは、オリヴェットで修士号を得た若者たちは、アンテオケ教会傘下の各企業で、インターン生として、ほんとうに貴重な学びと経験をさせて頂いていて、おそらく、そのために当然要求されてしかるべき代価は、彼らが売却する労働という対価で相殺されるがために、その相殺の程度は、ちょうど良い具合になっているのではあるまいか、ということなのである。

さて、若者たちは、キリストへの純粋な献身と、生命をも惜しまぬ犠牲のために、世界のどこへでも行って、どんな仕事でも、喜んでするであろう。キリストのために新聞記事を書き、キリストのために作詞作曲し、キリストのためにサイトを制作し、キリストのためにサーバーを管理し、キリストのためにグラフィックをデザインし、キリストのために学生伝道に打ち込むのだ。それら「実地」で得られる経験と訓練と人格の陶治は、確かに「インターン」を何年続けてもかまわないと思わせる程、大きな価値あるものに違いない。

そうして、世界への福音宣教を目指す「アンテオケ教会」にとって、これは、願ったりかなったりの「成長モデル」であろう。キャンパス伝道で得た純粋な学生たちに、オリヴェットで修士号を取るよう勧誘して、傘下企業でインターン生として働かせることができるならば、利潤はすべてそのまま、さらなる福音宣教の機会拡大へと投資出来るからである。そこでは、キリストの与えたもうタラントは、一円たりとも無駄にはされない。

アンテオケ・グループの、ここ五年間の急激な成長には、上記のような「秘訣」があったのであろう、と小生は分析する次第である。

さて、ここから先は、小生の妄想の部分である。

いったい、根本主義のキリスト者が、爆発的教会成長モデルを手にしてしまったならば、彼らは、本当に行き着くところまで目指して行ってしまうのである。それはすなわち、福音による世界征服である。

世界征服と行っても、武器で領土を奪取するわけではない。「文化」に進出して、文化の「諸領域」(Dominion)をキリストのために勝ち取って行くのである。すなわち、キリストのためにメディアを勝ち取り、キリストのために芸術を勝ち取り、キリストのためにスポーツを勝ち取り、キリストのために新聞を勝ち取り、キリストのために音楽を勝ち取るのだ。

そのあたりで留まっているのならば、小生は看過もできよう。

しかし、キリストのために政治をも勝ち取ろう、ということになって来ると、これは、一歩間違えば、「キリスト教再建主義」すなわち「セオノミー」の悪夢である。

元来、ディストピア小説やディストピア映画が大好きな小生は、二元論的な宗教者が統治するディストピアについて、あれこれと思いにふけることがある。

で、もし、快進撃を続けるメガチャーチのキリスト教、あらゆる文化の領域に進出して新興企業を設立し続ける根本主義のキリスト教が、万が一にも「セオノミー」を公式教義として採用して、しかも、ほんとうに「地を支配する」寸前まで、行ってしまったら。そこに、いったい、どんなディストピアが出現するのか?

そんなSF小説が、近頃ニュージーランドで発売され、話題になっているらしいのだ。『キングダム・ロスト』である。

「キングダム・ロスト」

そこには、使徒的宗教改革のリーダーが、メガチャーチを通じて、文化はおろか政治まで支配するようになった「教会国家」の悪夢が描かれている。小生はまだ読んでいないのだが、読者感想によれば、ジョージ・オーウェルの『1984』とラヘイの『レフトビハインド』を、掛け合わせたような印象、とのことである。

まあ、ディストピア好きの小生としては、『THX1138』や『恋人たち』で描かれているような世界に、一度住んでみても悪くはない、とは思っているのだが(笑) 

しかし、こんなことをブログで書いていたら、『恋人たち』の世界の場合、すぐさま「ガーディアン・エンジェル」の鬼軍曹に検閲されて、罰として、七房に分かれた鉄の鋲のついたムチで、しこたま叩かれることになるのは、目に見えている。

関連ログ 

「クリスチャン・トゥデイについて」
「再建主義大論争を回顧する」

<以上再掲>




ポスト・スクリプト

いまこうして「キングダム・ロスト」のエントリーを読み返してみると、うーん、と唸らざるを得ないのが、後段の「こんなことをブログで書いていたら、『恋人たち』の世界の場合、すぐさま「ガーディアン・エンジェル」の鬼軍曹に検閲されて、罰として、七房に分かれた鉄の鋲のついたムチで、しこたま叩かれることになるのは、目に見えている」という一文である。

SF作家、フィリップ・ホセ・ファーマーのデビュー作『恋人たち』は、人類と、外見は人類であるがその実は昆虫である女性との異種間恋愛を描いた悲劇であるが、舞台設定がなんと、自称再臨のキリストによって地上に築かれた政教一致のセオノミー(神律)国家「スターチ」なのである(スターチは、ステート〔国家〕と教会〔チャーチ〕の合成語)。ストーリーでは、自称再臨のキリストが『改訂新約聖書』を残して地上を去り、後駆者と呼ばれる「悪魔的人物」との戦いを信仰生活の基本的なモチベーションとする「教会国家」が、すべての個人に「守護天使」と呼ばれる宗教警察官を配置して、間断なく生活を監視しており、違反者には鞭を食らわせるのである。

そこには、私生活というものはなく、また、もちろん、思想や信教や言論の自由といったものは、皆無である。

さて、現実には「教会国家」というようなディストピアは、夢のまた夢のような気がするのであるが、しかし、今回のクリスチャントゥデイの一件で、教会国家ならぬ「教会企業」というごときものが、鞭ではなく名誉毀損裁判の濫用によって、一個人の思想、信教、言論の自由を封殺せんと目論む、という事態が、本当に起こり得ることを、小生は経験させられた。

考えてみれば、ディストピア映画「ブレードランナー」や「ロボコップ」は、国家が弱体化して、企業が統治を行う世界が描かれていたわけだけれども、「教会企業のバビロン化」という神学的テーマも、今後真剣に考究してみなければならぬ課題であろう。

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